2008.11.24 UP 【香港山歩き日記】 新界・林村郊野公園を行く(1) 初挑戦でのハプニング (2008.9.25)

大刀屶566mと大帽山 林村郊野公園
香港新界北部、KCR(MTR)鉄路の西側に広がる郊野公園です。深圳市街に最も近い香港の郊野公園で、南部は香港最高峰の大帽山につながっています。
西部の雞公嶺(585m)と東部の大刀屶(566m)、北大刀屶(480m)に分かれています。
「屶」はなたの意味です。何となくなたに見えます。
大刀屶頂上から


【香港山歩き日記】 新界・林村郊野公園を行く(1) 初挑戦でのハプニング
(2008.9.25)
粉嶺駅前のお廟 香港の山も大帽山、鳳凰山と登って少し馴染みが出てきた。3回目として粉嶺に住んでいた頃、近くに住む香港人の友人が誘ってくれて始めの少しだけ登った山に登ろうと思った。
ネットや地図で調べるとその山は林村郊野公園にあり最高峰は大刀屶566mということがわかった。深圳・羊台山587mのことを考え合わせて1時間あまり、登り下りで3時間というみつもりをする。
台風明けで空もきれい。そんなに困難ではないだろうとショルダーバッグ、短パン、帽子の散歩スタイル。500ccのペットボトルを持ってでかけた。
皇崗口岸から香港に入り粉嶺へ。

林村郊野公園の入り口はKCR(MTR)粉嶺駅西側の派手に彩色されたお廟の横にある。「胡蝶山径」の道しるべ。12時35分出発。
舗装された急坂を登っていく。懐かしい粉嶺のマンション群が見え隠れする。
石段と整備された道に変わり木立の間から展望が開けてきた。見てみると・・・深圳が見える!すばらしい眺め。感激。
深圳で山に登っての展望は深圳の北から見ることになるので常に逆光になってしまうが香港からだと南から深圳を順光で見ることになるのでよく見える。香港上水、粉嶺、それに辺境禁区(深圳と香港の間に設けられている立ち入り禁止地帯)の緑を前景にして深圳が見渡せる。深圳と香港のコラボレーション風景だ。

再び歩き出すと、同じように歩いている香港人二人連れのおっちゃんが話しかけてきた。毎週よく散歩するということでいろいろ説明してくれる。ちょうど見えてきた馬鞍山を教えてくれた。「えっ、あれが馬鞍山?きれい・・・」登りたいと思った。
いい人たちだった。
彼らと別れて散歩道のようななだらかな道をゆく。風景は雄大、登山道の整備もきれいで、これが普通の香港の郊野公園なのかなという印象を持つ。大帽山や鳳凰山とはかなり雰囲気が違う。
1時間近く登ったところで「大刀屶7.5km/粉嶺駅3km」の標識。すでに3km歩いた模様。これまでは丁寧だった整備が簡単になってきた。ここらあたりまでが住民の散歩コースということかな。

香港上水のマンション群と深圳の街 深圳を出た時は晴で暑かったのだが、だんだん雲が増えてきた。道は木立の中の急な階段に変わる。石段ではなく木で土を仕切って簡単な階段を作っている。視界が開けると深圳と香港のコラボ風景がきれい。ほんとうに来てよかったと思う。
初めての展望台の標識がある。とりあえず見てみようと本道からそれて展望台へ。
「ウオー」
視界が大きく開けてこれまたすばらしい展望。深圳は梧桐山方面しか見えないが香港側は西貢とさっき教えてもらった馬鞍山、それにつづく風景が雄大。大帽山も見えるはずだろうが雲がかかっていてよくわからない。

展望台から馬鞍山を遠望 元の道に戻って5分ほど歩くと北大刀屶という頂上に出た。480m。三角点がある。
次は大刀屶の山頂をめざす。
北大刀屶を過ぎて10分あまり、小さな嶺があった。と・・再び
「ワオー」
木がないので360°の展望が開け、深圳から香港の山なみが雄大に見える。宝物の景色が広がった。
気分よく先へ進む。前方に見える特徴的な山がおそらく大刀屶かなあ。
ちょっと雲行きがおかしいがまあ大丈夫だろう。

雲が多くなってきた。白い雲から少し黒っぽいのが混じってきた。
それにつれて気温も少し下がってきたような感じで歩きやすくはなってきた。
いくつか林を抜けて木のない登り道、そろそろ頂上かも知れない。と・・ふと空を見ると白い雲の下に黒い雲が激しい勢いで入り込んできた。北大刀屶の山頂からはすでに50分歩いている。
はるか向こうで雨が降っているような所がある。ここも雨が降るのはもう間違いないだろう。
さてどうする・・・
家を出る時は雨の兆候は全くなかったのでカサを用意していない。傘の替わりになるのはこの帽子だけ・・途中雨宿りできそうなところはあの展望台だけ。引き返すのは全く無理。

雨宿り とりあえずどこか木のあるところまで進もうと登る足を速める。ぽつりと顔に雨が当たり出した。どんどん進む。雨も半端ではなくなってきた。
低い木だったが群がっている坂道があったのでとにかくこの木で雨宿りしながら考えてみよう。そのうちに雨が全体に広がり、空は全くの雨雲だけになり視界がなくなった。
雨水は坂を流れ出した。赤土が多いこの坂道、行くにしても引き返すにしてもちょっと怖くなってきた。それでも木が雨宿りの効果を十分に発揮してくれたのはありがたかった。
たぶん、大刀屶頂上は時間的に考えてもう少しだと思われたが、とにかく初めての山なので何もわからない。
携 帯電話の時計を見ると15時ちょっと。粉嶺からはここまで3時間近く歩いたことになる。引き返すのに3時間かかるとすると6時、安全と思える場所まではもっと早くに到着できる。とにかく明るいうちに帰れそうだ。先へ進む方が早いかも知れないが賭をせずに引き返す決断をして雨が小降りになるのを待つ。

少し小降りになった径を行く なかなか小降りにはなりそうになく空は雨雲でどんどん暗くなるし、すぐにはやみそうにない雰囲気にすこし不安感。
いつまで待っていてもしょうがないので雨の少ない時を見はからい、帽子を大きく広げてかぶり、元来た道を戻る。この帽子もけっこう雨を防いでくれる。期待以上だ。
途中雨がすこし激しくなったり小降りになったりしながら続く。道は雨水が流れて小川のようになっているところが多い。用心して谷川を避けて山側によけながら進む。赤土も多いので滑らないよう、靴の裏全体で土を蹴って歩く。靴は水でびっしょり、気持ちが悪い。
赤土の多い階段で靴の裏は赤土がめいっぱい詰まって重くなった。
40分ほどで北大刀屶山頂へ。雨は止まない。
さらに20分ほど下山すると気温の上昇と共に白い雲に変わって雨がやっと上がってきた。時刻は4時半、ほっとする。山の雨が怖いのを実感した。
5時20分、粉嶺の登り口に出た。2時間かからずに戻ることができた。近いうちに再チャレンジしなければ。

雨の中、粉嶺に戻る 登り口近くの駐車スペースには懐かしい古巣、牽晴間(マンション)の送迎バスが駐まっていた。
気分を変えて粉嶺のお廟をちょっとだけ見学、吉牛を食べてKCR(MTR)で落馬洲へ。福田口岸から帰る。
帰宅後、着ていたものを全部脱いで洗濯機に入れてからシャワー。やっとすっきりした。
大刀屶再挑戦へつづく





















































